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久安寺(きゅうあんじ)は、大阪府池田市伏尾町[1]にある高野山真言宗の寺院。山号は大澤山。本尊は千手観音。境内はあじさいや紅葉の季節になると観光客が多数訪れる。

歴史
寺伝によれば、神亀2年(725年)に聖武天皇の勅願を受け行基が開創し、天長年間(824年 - 834年)の頃に空海(弘法大師)が真言密教の道場として中興した安養院が前身と伝わる[2]。
保延6年(1140年)に安養院は焼失したが、薬師如来像、阿弥陀菩薩像は焼失を免れ、安元年(1145年)に近衛天皇の勅願により祈願所として中興され、賢実上人が境内の本堂などの伽藍を増築し、その頃から「久安寺」と称するようになった[2]。最盛期には四十九もの子院があったが、現在は本坊となっている小坂院だけが残っている[2]。

安土桃山時代の頃、豊臣秀吉が参拝の際、月見茶会を開いたといわれ、江戸時代中期に歌人の平間長雅が移り住み、観音信仰の聖地として広く庶民に知れ渡った[2]。

境内
本堂 - 本尊の千手観音は、後一条天皇の勅願で仏師定朝の作と伝わる。秘仏につき非公開[3]。摂津国三十三所霊場第19番札所[4]。
三十三所堂 - 西国三十三所観音霊場のそれぞれの札所の本尊を模した33体の観音像を祀る[3]。須弥壇は33メートルの長さである[4]。